WordPressの自動バックグラウンド更新
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WordPress 3.7~から自動バックグラウンド更新機能が実装されています。
先日Ver.3.8.1がリリースされましたので、自動バックグラウンド更新の対象となります。
Ver.3.8.xのようなマイナーバージョンへのアップデートに適応されます。
Ver.3.8.x ⇒ Ver.3.9のようなような場合には適応されません。
私の場合、手動更新を基本としていますので、「そういった場合、WordPressではどう対応するの?」といった点を簡単ですが紹介します。
ちなみに、私が手動更新を基本としているのは、以下のような理由からです。
「自動バックグラウンド更新を推奨しない」といったものではありませんので、予めご了承ください。
「自動更新で不具合が発生した場合、即時対応が難しい(どこに原因があるか特定しにくい)」「WordPressのコアファイルをカスタムしている場合、ファイルが上書きされてしまう」等、クライアント制作物の案件、自分のサイトをカスタマイズしているような場合ですね。
といっても、WordPressのコアファイルを編集するより、極力functions.phpなんかで対応するのがベストです。また、セキュリティ面を考慮しておくことも重要です。
Keyword:Ver.3.7以降,自動バックグラウンド更新
自動バックグランド更新を有効にしておくと、順次新しいバージョンへのアップデートが適応され、管理者宛のメールアドレスに自動アップデートの通知が届きます。
手間もかからず、マイナーアップデートによくあるセキュリティアップデートに対応できるためとても便利ですが、サーバー上のファイルが自動で上書きされてしまうため、不具合が発生した場合「クライアントさんから即クレーム」といったリスクも生じてしまいます…。
インストールしているプラグインがアップデートされていなかったり、サーバーの環境やブラウザのバージョンにも依存するため、一概にベストな方法かは各自での判断が必要です。
「リスクを減らす」といった意味合いで、少々手間はかかりますが、手動で更新するのもありかと思います。「完全手動で更新」「アップデート内容を確認した後、半自動で更新」等、方法はいろいろありますしね。
手動で更新するには、まず、自動バックグランド更新を停止します。
自動バックグランド更新を停止するには、wp-config.phpに以下を記述します。
wp-config.php
// 自動バックグランド更新を停止する define( 'AUTOMATIC_UPDATER_DISABLED', true );
そうすると、管理画面上には以下のようにアップデートの通知が表示されるようになります(Ver.3.7未満の時と同じですね)。
※下記では「管理画面」となっていますが、デフォルトでは「ダッシュボード」です。
▼新しいバージョンへのアップデート通知
次に、「ダッシュボード」の項目の「更新」をクリック。
▼更新画面
●いますぐ更新
「いますぐ更新」を押すと、WordPressの管理画面で半自動でアップデートが可能です。
WordPressのインストール方法にもよるのですが、通常はFTPのアクセス情報を入力し、アップデートが適応されます。
でもこのままでは、自動バックグラウンド更新とやっていることはさほど変わりませんので、アップデートの内容や差分ファイルを確認してからアップデートを適応しましょう。
アップデート内容や差分ファイルは、WordPress日本語版Codexサイトで確認できます。
Ver.3.8.1の場合は以下を確認。
http://wpdocs.sourceforge.jp/Version_3.8.1
“更新画面”の”WordPress 3.8.1″のリンクをクリックしても同じ画面が開きます。
今回、多少対応が遅れていたようで、つい先程まではリンクエラーになっていたのですが、今現在ページは更新されています。
●3.8.1をダウンロード
「3.8.1をダウンロード」を押すと、WordPress 3.8.1をファイルでダウンロードできます。
「いますぐ更新」でFTPでのアクセスができないような場合は、ファイルでダウンロードし完全手動で更新しましょう。
ホスティングサーバーが提供しているインストラー経由でWordPressをインストールしている方、自分でFTPクライアントを使用してWordPressをインストールしている方等、インストールの仕方は様々だと思いますが、「WordPressの管理画面で半自動でアップデート」ができない場合があります。これは、WordPressをインスールした際の所有者権限の違いによるもので、FTPユーザーがドキュメントルート以下のデータを所有しているような場合、WordPressのコアファイルの権限をApacheユーザーが所有しているような場合の違いで起こります。
「完全手動で更新」するメリット
- アップデート適応時に問題が発生しても、すぐにもとの状態に戻せる(リスク回避)
※WordPressを「wp」等のディレクトリに展開していることが前提です - アップデートの準備・アップデートの適応等、自分のペースで対応できる
- コアファイルを編集している、Poedit等で言語ファイルを変更している場合でも、新しいWordPressに適応してからアップデートできる
「完全手動で更新」するデメリット
- アップデートするのに手間と時間がかかる
- 自動更新の恩恵を受けられない
- FTP経由でやるのは面倒くさい…(SSH経由でやると結構早くできるけど…)
完全手動アップデート手順
前提条件として、WordPressを「wp」等のディレクトリに展開していること。
※メンテナンスモードプラグイン等と併用で行うのがベストですね。
1.FTPクライアントでサーバーにアクセス
FTPクライアントでドキュメントルートにアクセスします
※SSL接続のFTPSやSSH接続のSFTPでのアクセスを推奨
↓
2.ドキュメントルートに「wp_new」等のディレクトリを作成
↓
3.新しく作成したこのディレクトリ内に新バージョンのWordPressをアップロード
↓
4.編集する必要があるファイルを変更+アップロード
例) wp-config.phpやカスタムしているコアファイル等
↓
5.既存の使用テーマのファイルを全てアップロード
※/wp_new/wp-content/themes内
↓
6.既存のプラグインファイルをアップロード
※/wp_new/wp-content/plugins内
↓
7.uploads内のファイルをアップロード
※/wp_new/wp-content/uploads内
※前もって最新のものをダウンロードしておきます
↓
8.他に別途作成したディレクトリがある場合はそちらもアップロード
↓
9.パーミッションを変更している場合、パーッミションも変更
※uploadsディレクトリ内のファイルは全て変更が必要
↓
10.「wp」等のWordPressを展開している既存のディレクトリを「wp_old」に変更
↓
11.先程作成した「wp_new」ディレクトリを「wp」に変更
↓
12.管理画面にアクセス
↓
13.DBの更新を促されるので、DBを更新
サイトを表示し、不具合があった場合、「wp」→「wp_new」に変更、「wp_old」→「wp」に変更し、管理画面を再読み込み後、再度DBを更新し直すと、直ぐにもとの状態に戻せます。
1つの「wp」ディレクトリ内に差分ファイルだけを展開してもOKですが、カスタマイズ箇所が多いような場合、不具合発生時にはちょっとたいへんです。
注意点としては、DBや言語ファイル、PHPの中間コードをキャッシュしている場合、一旦キャッシュをクリアしましょう。
また、問題がなければ、不要になった「wp_old」ディレクトリは削除しておきましょう。
SSHでのコマンド処理が可能であれば、もっと早くできます。
コマンドを自動化したり、前もってコマンドをテキストエデイタなんかに書いておいてコピペすれば、数分でOK。
FTP経由では、新バーションのWordPressの展開、パーミッションの変更に時間がかかるので、SSHでのコマンドを実行するのはおすすめです。
またその内、コマンドでの更新手順も紹介したいと思います!
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